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介護の5つの問題とは?老老介護から虐待まで原因と解決策総まとめ

親の介護を誰が、どのように行うかをめぐって、問題やトラブルを抱えているご家庭もあるのではないでしょうか?
介護は現代の日本社会が抱える大きな課題です。個々の家庭においても、在宅でケアするか、施設に入居させるかなど、一つ一つの決断を待ったなしで下していく必要があります。
親にとっても自分たち家族にとってもベストの選択をするために、介護における問題点をきちんと把握しておきましょう。
今回は、介護で起こり得る可能性のある5つの問題について、原因と解決策をご紹介します。

介護の5つの問題イメージ1

介護における問題1:介護難民

「介護難民」は決して他人事ではなく、誰にでも起こり得る問題です。

介護難民とは

介護難民とは、介護が必要な「要介護者」に認定されているにもかかわらず、施設に入所できないだけでなく、家庭においても適切な介護サービスを受けられない65歳以上の高齢者を指します。
民間の有識者会議である「日本創成会議」は2015年、「2025年には全国で約43万人が介護難民になる」との予測を発表しました。これを機に、介護難民の問題が大きくクローズアップされています。

介護難民が増える理由

理由の一つは、高齢者の増加です。内閣府の「高齢社会白書(平成28年版)」によると、日本の総人口は減少しているのにもかかわらず、65歳以上の高齢者は年々増加しています。今後も高齢化が進むのは確実で、2025年には人口の約3割、2060年には約4割を65歳以上が占めるという予測もあります。

高齢者の増加に伴い、要支援・要介護認定を受ける人の数も増加しています。厚生労働省が発表した平成26年度の「介護保険事業状況報告」では、2000年には256万人だった認定人数が、2014年には606万人にまで増えました。

もう一つの理由は、介護に携わる従業員が不足していることです。介護労働安定センターの調査でも、「従業員が不足している」という回答を寄せた事業所は全体の約6割に上り、人材確保の難しさが浮き彫りになっています。

介護難民の解決策

このような背景から、介護難民は誰もがなり得る可能性があると考えていいでしょう。そのため、しっかりと解決策を講じることが大切です。

・国の対策
介護難民対策として国が打ち出したのが「地域包括ケアシステム」です。地域密着型で高齢者をケアするという考え方で、地方自治体の「地域包括支援センター」が中心となって運営を行っています。介護の相談にも乗ってもらえるので、覚えておきましょう。

・高齢者本人や家族の心がけ
介護難民にならないためには、高齢者本人や家族の心がけも欠かせません。
年齢を重ねても、できる範囲で日常的な家事を担当する、体を動かす、自分のことは自分でするといった心がけで、要介護者になるリスクを減らしたり、要介護度の進行を防止したりできるでしょう。

一方、家族は、高齢者の行動に注意を払いつつも、必要以上に干渉せず、高齢者が自分から身体を動かすように促すことが大切です。それが高齢者の筋力維持につながり、寝たきり状態になるのを防ぎます。

また、介護が必要になったときのことを考えて準備をしておくことも大事です。例えば、介護の役割分担を考えておく、住宅のバリアフリーリフォームを行うなど、高齢者が元気なうちに対策を講じておけば、いざというときに慌てずに済みます。

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介護における問題2:老老介護・認認介護

「老老介護」「認認介護」は、現代の日本が直面している深刻な問題の一つです。具体的にご説明します。

老老介護・認認介護とは

老老介護とは、65歳以上の高齢者が65歳以上の高齢者を介護すること、つまり老人が老人を介護することを意味します。例えば、高齢の夫婦間での介護、高齢の兄弟姉妹間での介護、高齢の子供がさらに高齢の親や身内の介護をするといったケースが該当します。

一方、認認介護は、介護する人と介護される人の双方が認知症を発症しているケースです。

老老介護・認認介護の原因

なぜ老老介護や認認介護といった問題が生じるようになったのでしょうか。主な原因として次の2つが考えられます。

・医療の進歩
一つ目は医療の進歩により日本人の平均寿命が延びたことです。そのため、夫婦共に高齢、親が高齢で子供も高齢といったケースが増え、高齢者が高齢者を介護する状態を生み出しています。
さらに、平均寿命と健康寿命の差も大きくなりました。
健康寿命とは「一生のうちで、健康で活動的に生活できる期間」をいいますが、平均寿命が延びれば健康寿命との差が広がり、身体的機能の衰えだけでなく認知症を発症するリスクも高くなります。つまり、認認介護につながるというわけです。

・核家族化
親と子供が別々に住む「核家族」が増えたこと、いわゆる核家族化も原因の一つとして指摘されています。
高齢者夫婦の世帯でどちらかに介護が必要になれば、どちらかが面倒を見ることになります。そうして暮らしているうちに、双方が認知症を発症すると、認認介護になってしまいます。
子供が結婚せずに親と同居を続ける核家族というケースでも、親子そろって高齢者となれば、老老介護です。老老介護は認認介護につながる可能性があります。

介護における問題3:高齢者の虐待問題

家庭、あるいは養介護施設において、高齢者が虐待を受けるという現実もあり、大きな問題となっています。

高齢者の虐待の実態

まず、高齢者が虐待を受けている実態を「虐待が起きている場所」「高齢者と虐待者の関係」に分けて見てみましょう。

・虐待が起きている場所
虐待は高齢者の居宅でも養介護施設でも起きています。
養介護施設の場合、厚生労働省の「平成 27 年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」によると、虐待が起きている場所の1位は特別養護老人ホームで全体の30.6パーセント。続いて、有料老人ホームが20.9パーセント、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)が15.9パーセント、介護老人保健施設が9.1パーセント、訪問介護等が6.1パーセントとなっています。

・高齢者と虐待者の関係性
高齢者と虐待者の関係については、養介護施設・事業者と家庭内での養護者に分けて見てみましょう。数字は、同じく厚生労働省の調査結果です。

<養介護施設・事業者の場合>
養介護施設・事業者で最も多かったのは、介護職の80.6パーセント。次いで看護職・管理職がそれぞれ4.5パーセント、施設長が4.3パーセントという結果になっています。
男女別で見ると、男性が52.8パーセント、女性が47.2パーセントという割合です。

<養護者の場合>
まず、虐待した養護者と高齢者の同居の有無を見ると、同居の養護者が虐待したケースが86.6パーセントを占めています。
続柄で見ると、息子が40.3パーセント、夫が21.0パーセント、娘が16.5パーセントという結果でした。なお、一つの事例の中で、複数の虐待者が存在するケースもあります。

高齢者の虐待への対策

2006年に「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」が施行されましたが、その後も高齢者への虐待が続いているという調査結果を踏まえ、厚生労働省が対策を提示しています。

・国による対策
厚生労働省が各都道府県に対して出した通知では、「都道府県および市町村が速やかに実態を把握できる取り組みを強化すること」「介護に携わる関係者に対する研修等で対応を強化すること」「高齢者権利擁護等推進事業の活用」が3本柱となっています。

・家族にできること
「介護うつ」という言葉も生まれるほど、介護は家族に負担となることがあります。市町村の窓口や地域包括支援センターなどで専門家に相談したり、介護サービスを活用して少しでも負担を軽くし、リフレッシュをはかったりすることが重要です。
また、一人で抱え込まずに家族で話し合って分担する、介護カフェなど介護者の集いに参加して気持ちを共有するといったことも、虐待防止の有効な手立てになります。

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介護における問題4:高齢者の一人暮らし

介護では、高齢者が一人で暮らすことで生じる問題もあります。具体的に見てみましょう。

高齢者の一人暮らしが抱える問題

高齢者の一人暮らしで大きな問題になるのが「認知症」と「孤独死」です。

・認知症
厚生労働省の「認知症高齢者の現状(平成22年)」によると、認知症を患っている高齢者の数は439万人、高齢者全体の約15パーセントと推計されています。さらには、正常と認知症の中間にあると推定される人の数は約380万人。両方を合わせると約819万人です。

認知症になると、一人で日常生活を営むことが困難になります。一人で暮らすことは、生活レベルの低下のみならず、近隣住民とのトラブルを招くことにもなりかねません。さらには、犯罪や火事、事故など命に関わる事態に巻き込まれる危険性もあります。

・孤独死
誰にも気づかれることなく死に至る「孤独死」も、高齢者の一人暮らしで大きな問題となっています。
東京都福祉保健局がまとめた統計によると、2015年に東京都23区内の自宅で亡くなった65歳以上の単身世帯者は3,116人。2003年は1,441人、2012年は2,727人という数字を考えると、増加傾向にあることは確かです。

厚生労働省も「孤独死は人間の尊厳を損なうと同時に、家族や親族、近隣住民などに心理的な衝撃や経済的な負担を与える」として、孤独死を防ぐ対応の必要性を訴えています。

高齢者の一人暮らし対策

一人暮らしをする高齢者の認知症、孤独死のリスクを防ぐためには、家族はもちろん、国や社会全体での取り組みも大切です。

・家族ができること
同居して暮らすことが一番ですが、現実問題として難しいこともあります。その場合は、民生委員や地域包括支援センターに相談する、介護保険制度のサービスを利用する、見守りサービスを利用するなど、できる限りの対策を講じましょう。
高齢者が社会との接点を持つように働きかけることも対策の一つです。社会との接点があれば、何か起きたときに誰かが気づいてくれる可能性が高まります。

厚生労働省の平成28年「高年齢者の雇用状況」集計結果によると、近年は65歳を過ぎても働ける環境が整いつつあり、希望すれば70歳以上でも働ける企業が出現しています。そういった背景を踏まえ、働くことをすすめてみても良いでしょう。
働くことに限らず、自治体の活動や高齢者サークルへの参加を呼び掛けることも、家族ができる対策の一つです。

・国や社会の対応
厚生労働省は、上記の「認知症高齢者の現状(平成22年)」の中で、「社会全体で認知症の人びとを支えよう」という提言をしています。
近所の住民が定期的に様子を見る、必要に応じて国や自治体の支援を要請するなど、地域に住む一人一人が自覚を持って高齢者を見守り、支え合う姿勢が求められています。

介護における問題5:成年後見人トラブル

認知症などで判断力が衰えた高齢者をサポートするはずの成年後見人。その成年後見人によるトラブルも起きています。

成年後見人とは

認知症などで判断力が衰えてしまった人のために、家庭裁判所が「成年後見人」を選んで、被後見人を保護・援助する制度が「成年後見制度」です。成年後見人の主な役割は、被後見人に代わって、不動産などを含めたあらゆる財産を管理することです。例えば「預貯金の払い戻しを受ける」「不動産を売買する」など、大きな金額を動かすことにも権限が与えられていて、子供や親族がなることもできます。

成年後見人が引き起こす問題

成年後見人の主な役割は、財産管理です。ところが、適切な管理をせずに権限を乱用する、被後見人の財産をまるで自分のもののように使うなどのトラブルが生じています。中には相続の争いに発展してしまうケースもあります。

トラブルの回避策

親族が成年後見人になると、どうしても財産を独り占めしようとしたり、自分の権利を必要以上に主張したりしがちです。それがトラブルになります。
回避する方法としては、成年後見人を親族以外の人に任せることが挙げられます。例えば、弁護士、司法書士、税理士といった専門家であれば、親族間での財産トラブルとは無縁です。

成年後見人は、管理する財産の全容を明らかにし、その使い道や収支を明確にすることを義務づけられます。また、必要に応じて、家庭裁判所に報告もしなければなりません。専門家に任せることで、こういった手続きもしっかり行ってくれる点もメリットです。

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国民みんなで取り組むべき介護の5つの問題

高齢者の介護は、高齢化社会を生きる我々一人一人が真剣に考え、取り組むべき課題です。
今回ご紹介した介護の5つの問題は決して他人事ではありません。
ご自身の現状に照らし合わせるだけでなく、これからの人生を見据えた上で、各問題にどのように対処するか、あらかじめ考えておきましょう。
親にとっても家族にとっても負担のない、ベストな選択をするための知識としてお役立てください。

※本記事の内容は、公的機関の掲出物ではありません。記事掲載日時点の情報に基づき作成しておりますが、最新の情報を保証するものではございません。

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