増えている介護離職の実態と、介護と仕事を両立するためにすべきこと

 

親の介護のために離職する「介護離職」の問題が注目されています。
自分だけでなく、会社の上司や同僚の中に介護離職をすべきかどうか悩んでいたり、実際に介護離職したりした人はいないでしょうか?
仕事と介護の両立が大変になってくると、「仕事を辞めて介護に専念したら楽になるのでは」と思いがちですが、いったん介護離職すると、貯金を取り崩す無収入の日々が続き、さらに再就職も簡単にはいかずに、後悔するというケースも多く見られます。
介護離職を避けるためには、できるだけ情報を幅広く集めて、国や自治体、民間のサービスを利用することが大切です。
今回は、介護離職の現状と課題について解説します。

 

【目次】
1. 増加傾向にある介護離職者
2. 介護離職後の実態
3. 介護離職ゼロを目指す国の取り組み
4. 介護離職を防ぐためにできること
5. 介護離職を避けるには、事前準備と計画性が大切

 

増加傾向にある介護離職者

介護離職の実態を具体的な数字を挙げてお伝えします。

 

●働きながら介護をしている人の数
総務省統計局の「平成24年就業構造基本調査」によると、介護をしている人の数は約557万4000人で、そのうち約291万人は働きながら介護をしています。同調査では年代や性別、介護離職者の年ごとの推移が次のように示されています。

 

●働きながら介護をしている人の年代と性別
介護をしている年代は、60歳から64歳が最も多く、約108万人。2番目に多いのが70歳以上で95万3000人、次いで55歳から59歳が92 万9000人で続いています。
介護をしながら働いている約291万人を男女別で見ると、男性が約130万9000人、女性が約160万1000人と、女性のほうがやや多くなっています。

 

●介護離職者の推移
平成23年10月から24年9月の1年間に介護・看護のために離職した人の数は10万1000人に上りました。
過去5年間の推移で見ると、平成19年10月~20年9月は8万8000人、平成20年10月~21年9月は8.万1000人、平成21年10月~22年9月は9万8000人、平成22年10月~23年9月は8万4000人でした。
しばらくは上下を繰り返していましたが、平成23年10月からの1年間では10万人を突破、介護離職する人の多さが社会問題になり、注目が集まりました。

 

【引用】
「平成24年就業構造基本調査」(総務省統計局)
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/pdf/kgaiyou.pdf

 

介護離職後の実態

介護離職した人の中から「介護は想像以上に大変」という声が聞かれることがあります。介護離職後の負担感を調査結果から見てみましょう。

 

●介護離職後のダメージ
介護の負担が重くなってくると、「これ以上、仕事と介護の両立はきつい。自宅で介護に専念したい」と考えがちです。ところが、「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」によると、そう簡単な話ではないようです。

 

・精神面
「非常に負担が増した」と答えた人が介護離職者の31.6%、「負担が増した」と答えた人が33.3%と、合わせて64.9%の人が仕事をしているときよりも、むしろ負担が増したと感じていることがわかりました。

 

・肉体面
「非常に負担が増した」と答えた人は22.3%、「負担が増した」と答えた人は34.3%と、半数以上の人が離職前以上に肉体的な負担が増したと感じています。

 

・経済面
「非常に負担が増した」と答えた人は35.9%、「負担が増した」と答えた人は39.0%と、74.9%の人が経済的な負担が増したと感じています。

 

それぞれの負担感を比べると、経済面での負担増を感じた人が最も多くなっています。中には精神面・肉体面・経済面のすべてにおいて「非常に負担が増した」と感じている人もいるでしょう。
もちろん、個々のケースで事情は異なりますが、「仕事を辞めて介護に専念しても、介護者の負担が楽になるとは言い難い」ということが、この調査からわかります。

 

●離職後の再就職状況
・正社員として再就職できた人は半数
介護離職後の再就職について見てみます。
同じアンケート調査によると、介護離職者994人のうち正社員として再就職ができたのは49.8%。仕事を辞めたときに就業継続を希望していた人の数は、男性で56%、女性で55.7%となっており、再就職がかなう人は希望よりも少ないことがわかります。

 

【引用】
「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社、調査実施時期2013年1月)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/dl/h24_itakuchousa05.pdf

介護離職ゼロを目指す国の取り組み

介護離職者が少しでも減少するよう、政府がさまざまな取り組みを進めています。

 

●介護休業制度
要介護状態にある家族を介護するためにまとまった期間の休みを取れる制度です。対象家族は配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。対象家族1人につき、通算93日までの休みを3回に分けて取ることができます。

 

●介護休暇制度
介護休業制度がまとまった休みを取るための制度なのに対し、介護休暇制度は単発の休みの取得を目的としています。介護だけでなく、例えば通院や買い物の付き添い目的で休みの取得が可能です。対象家族は介護休業制度と同じ。対象家族1人につき1年に5日、対象家族が複数の場合は1年に10日の休みを取ることができます。

 

●勤務時間の短縮措置
要介護状態にある家族を介護する従業員は、事業主から次のような措置を受けることができます。
・短時間勤務
・フレックスタイム制度
・始業や終業時刻の繰り上げ、繰り下げ(時差出勤)
・労働者が利用する介護サービス費用の助成、またはこれに準ずる制度

 

●時間外労働・深夜業を制限する制度
要介護状態にある家族を介護する従業員について、事業主は業務に重大な支障のない限り、1カ月で24時間、1年で150時間を超えて時間外労働をさせてはならないと決まっています。
同様の条件で、午後10時~午前5時の深夜労働についても禁止されています。

 

●介護休業給付金
介護のための休業をした被保険者に支給されるのが介護休業給付金です。
ただし、介護休業の開始日から過去2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上ある人が支給の対象です。
詳しい条件や支給額については最寄りのハローワーク、または下記『「介護離職ゼロ」ポータルサイト』をご確認ください。

 

●『「介護離職ゼロ」ポータルサイト』
介護制度に関するさまざまな情報が「介護離職ゼロ ポータルサイト」にまとめられています。項目がわかりやすく、リーフレットやガイドブックのダウンロードも可能です。

 

厚生労働省『「介護離職ゼロ」ポータルサイト』
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112622.html

 

介護離職を防ぐためにできること

周囲の協力を得ることで介護離職を避けられることがあります。公的サービスも積極的に活用しましょう。

 

●介護サービスを活用する
介護サービスは多様化しています。それぞれの種類・特徴・費用を把握し、地元の市区町村で要介護認定を受けた上で、ケアマネジャーと相談しながらサービスを活用しましょう。サービスをうまく活用できれば、介護者の負担が大きく軽減され、被介護者もストレスが溜まりにくいでしょう。

 

●相談窓口を活用する
地域包括支援センター、社会福祉協議会、保健所、国民健康保険団体連合会などの相談窓口を活用しましょう。介護予防から介護サービス、成年後見制度、高齢者虐待などさまざまな相談ができるほか、介護事業者とのトラブルに対するクレームの相談窓口もあります。

 

●親戚や知人を頼る
家族だけでは解決策が見つけられない場合、親戚や知人を頼ることで事態が進展することもあります。同様に介護に取り組んでいる親戚や知人がいれば、情報交換してみましょう。

 

●職場の人間関係に配慮する
介護のために仕事を一定期間休んだり、労働時間の短縮をお願いしたりすると他の人に負担がかかることがあります。日頃から良好な人間関係を築いておけば、気持ち良く仕事を引き受けてくれる可能性が高まります。また、休んでいるときに自分の仕事を引き受けてもらった人には、感謝の気持ちをきちんと伝えましょう。

介護離職を避けるには、事前準備と計画性が大切

「公益財団法人・生命保険文化センター」の調査によると、過去3年間に介護を経験した人の介護期間の平均は4年11カ月でした。4年以上介護した人の割合は45%を超えていて、10年以上の介護を経験した人も15.9%に上りました。
このアンケート結果からもわかるように、介護は長期戦になる可能性があります。一方、介護休業や介護休暇を取得できる日数は限定的で、長期間の介護を行うためにはヒト・モノ・カネのすべての面で計画性が必要です。
ポイントは、介護離職を避け、仕事と介護の両立をどう行うか。介護の現実に直面する前に、あらかじめよく考えて、準備をしておくことが大切です。

 

【引用】
公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(平成27年度)
http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/nursing/4.html

(注)本記事の内容は、公的機関の掲出物ではありません。記事掲載日時点の情報に基づき作成しておりますが、最新の情報を保証するものではございません。

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