世帯分離とは?介護費用の節約に役立つ世帯分離の方法とポイント


両親や身内の介護をしている人にとって、施設型や訪問型など多種多様な介護サービスは、負担を軽減し、自分の時間を確保する上でぜひとも活用したいサービスといえるでしょう。しかし、老人ホームへの入居など、サービスによっては高額の費用がかかります。介護が長期化したり、サービスの利用頻度が高まったりするほど、被介護者を支える家族には経済的な負担がのしかかります。そういった問題を解決するのが、「世帯分離」です。二つ以上の家族が同居している場合、世帯分離をすることで介護費用を節約できます。
今回は、「介護中の両親と自分の家族が同居している」「介護のためにこれから両親と同居するつもりだ」という人のために、世帯分離のメリットや介護保険自己負担額の仕組み、世帯分離の手続き方法についてご紹介します。
 
 
【目次】
1.介護費用を抑えられる「世帯分離」とは
2.知っておきたい介護保険の自己負担額
3.世帯分離の手続き方法
4.メリットとデメリットを把握した上で検討を
 
 

介護費用を抑えられる「世帯分離」とは

そもそも世帯分離とはどういう意味でしょうか?世帯分離のメリットとデメリットをお伝えします。
 
●世帯分離とは
世帯分離とは、住民票に登録されている一つの世帯を、二つ以上の世帯に分けることです。つまり、現時点で同じ住所に複数の世帯主が登録されているケースで有効ということです。
 
【例】
<分離前(一世帯)>
世帯主①:父親
世帯員:母親、自分、自分の配偶者、自分の子供
 
<分離後(二世帯)>
世帯主①:父親
世帯員:母親
 
世帯主②:自分
世帯員:自分の配偶者、自分の子供
 
それぞれの世帯主が独立した家計を営んでいるという条件のもと、市区町村の窓口で手続きをすれば世帯を分けることができます。
 
●世帯分離のメリット
・介護サービスの自己負担額を軽減できる
介護サービスを利用する際、費用の一部は利用者が自己負担することになります。
負担額は「高額介護サービス費制度」で上限が定められており、限度額を超えたときは申請により払い戻しが可能です。世帯分離をして親世帯の所得が下がると、それに応じて自己負担の上限額が下がり、介護費用の節約につながります。
 
・国民健康保険料の負担額が減ることがある
国民健康保険料の金額は前年の所得で計算されるため、世帯分離によって負担額が減ることがあります。
 
●世帯分離のデメリット
・国民健康保険料の負担額が増えることがある
メリットとして「国民健康保険料の負担額が減ることがある」とお伝えしましたが、国民健康保険に加入している世帯が世帯分離をした場合、各世帯主が国民健康保険料を支払うことになるため、負担額のトータルは増えることがあります。
 
・会社の健康保険組合を利用したほうがよい場合がある
親を介護している人がサラリーマンの場合、会社の健康保険組合に親を扶養家族として加入させ、組合の制度を利用したほうがお得なことがあります。
 
・介護サービス利用の合算ができなくなる
複数の介護サービス利用者がいる場合、同一世帯であれば利用料を合算して払い戻しを申請できますが、世帯が別の場合は合算ができません。そのため、サービスの利用の仕方によっては、損をすることがあります。

 

知っておきたい介護保険の自己負担額

世帯分離をするメリットに、「介護サービスの自己負担額軽減」がありました。では、具体的にどれくらい安くなるのでしょうか?
 
●世帯収入によって変わる自己負担限度額
介護保険が適用される介護サービスを利用する際は、規定の費用を自己負担することが定められています。ただし自己負担額には上限があり、上限を超えて支払った場合は超過分の払い戻しができます。これが高額介護サービス費制度です。
自己負担の上限額を定める基準となっているのが、世帯の所得額で、概要は以下のとおりです。
 
・高額介護サービス費の基準
【第1段階】
生活保護を受給している、あるいは世帯全員が市町村民税非課税で老齢福祉年金を受給している場合。
負担上限額は、月額15,000円。
 
【第2段階】
世帯全員の市町村民税が非課税で、公的年金等収入額+合計所得金額が年間で80万円以下の場合。
負担上限額は、月額15,000円。
 
【第3段階】
世帯全員の市町村民税が非課税で、第1段階と第2段階に該当しない場合。
負担上限額は、月額24,600円。
 
【第4段階・一般】
第1段階~第3段階に該当しない場合。
平成29年7月までの負担上限額は、月額37,200円。2017(平成29)年8月以降の負担上限額は、月額44,000円。
 
【第4段階・現役並み所得者】(2015年8月1日に新設)
第1段階~第3段階に該当せず、なおかつ現役並み所得者(65歳以上で、課税所得145万円以上の人)がいる場合。
負担額の上限は、月額44,000円。
 
※同じ世帯に介護サービス利用者が2人以上いる場合は、利用料を合算できます。
※第1段階、第2段階の利用者が同じ世帯に2人以上いる場合、世帯の上限額は第3段階と同じ24,600円です。
 
・高額介護サービス費の基準のとらえ方
上記の分類を見ればわかるように、段階によって負担額の上限には大きな開きがあります。介護サービスを利用している親が第1段階に該当する場合でも、所得のある子供と世帯を同一にしているときの分類は、第4段階。第1段階なら上限額15,000円のところ、第4段階では2017年8月以降、一律で44,000円です。
 
例えば、2017年8月に、合計で20,000円の介護サービスを利用したとします。この場合、第1段階や第2段階なら5,000円が払い戻されますが、第4段階では払い戻しはなしという計算になります。長期化することの多い介護。世帯分離をしたほうが、費用負担を安く抑えられるといえるでしょう。
 
・特定入所者介護サービス費(補足給付)
施設に入所して生活する介護サービス利用者には、「特定入所者介護サービス費(補足給付)」という制度もあります。第1段階から第3段階に該当すれば負担額が軽減されます。
項目をピックアップして、具体的な支払い額を見てみましょう。
 
【食費】
基準費用額:1,380円
第1段階:300円
第2段階:390円
第3段階:650円
 
【従来型個室の居住費(特養など)】
基準費用額:1,150円
第1段階:320円
第2段階:420円
第3段階:820円
 
【従来型個室の居住費(老健、療養など)】
基準費用額:1,640円
第1段階:490円
第2段階:490円
第3段階:1,310円
 
【ユニット型個室の居住費】
基準費用額:1,970円
第1段階:820円
第2段階:820円
第3段階:1,310円
 
※2016(平成28)年8月以降は、遺族年金や障害年金など非課税年金の収入も含めての判定となっています。
※限度額の認定には、利用者本人、あるいは夫婦の預貯金額(世帯分離している場合も含む)が関係することもあります。
※配偶者(世帯分離している場合も含む)が課税されている場合は、サービスの対象外です。
 
例として、ユニット型個室での年間額を計算してみます。
 
第1段階の自己負担:1日当たり820円、1年当たり299,300円
第4段階の自己負担:1日当たり1,970円、1年当たり719,050円
 
その差は、1年で40万円強。単純計算ですが、世帯分離するかしないかで、これだけの差が出るということです。
 
【参考】
厚生労働省
「介護保険制度の見直しについて」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2017/01/dl/tp0117-k01-05-02p.pdf
 
厚生労働省
「食費・部屋代の負担軽減の見直しについて」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/hikazei_1.pdf
 
厚生労働省
厚生労働省 第91回社会保障審議会医療保険部会「医療・介護を通じた居住費負担の公平化について」
https://goo.gl/bqNUWm
 

世帯分離の手続き方法

介護費用の節約に役立つ世帯分離。ここでは、世帯分離の手続きの仕方についてご説明します。
 
●家族の中で収入の高い人が世帯分離するのがポイント
介護費用を抑えるには、介護サービスを利用する人と、世帯の中で収入の高い人を分離して、高額介護サービス費の基準が下がるようにすることです。例えば、被介護者である老齢の親が、年収1000万円の長男家族、年収600万円の次男家族と暮らしている場合、長男が世帯分離するほうがお得ということです。
 
●手続きの方法
世帯分離の手続きは、住民登録をしている市区町村の役所で行います。届け出が可能なのは、本人、世帯主、代理人のいずれかで、代理人の場合は親族であっても委任状が必要です。
 
【必要な持ち物】
・住民異動届(世帯変更届)
役所の窓口で書類をもらい、必要事項を記入します。
 
・本人確認ができる書類
運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、健康保険証などが該当します。顔写真がついていないものを持参する場合は、念のため二つ用意しておきましょう。
 
・印鑑
住民異動届に本人の署名があれば不要なこともありますが、持参したほうが安心です。
 
・国民健康保険証
国民健康保険に加入している人は、保険証を忘れずに持参してください。
 
【手続きの流れ】
上記の持ち物をそろえ、記入した住民異動届を窓口に提出するだけで手続きはできます。
よほどのことがなければ、時間もそれほどかかりません。
 
●注意点
最後に、世帯分離の手続きをする際に、気をつけたいことをまとめておきます。
 
・必要のないことは言わない
世帯分離の理由を聞かれたら「生計を別々にすることになったから」と言うだけにとどめておきましょう。本来、世帯分離は、介護費用の負担軽減を対象とした制度ではないからです。不要なことを口にすると、受理してもらえないケースもあるので、注意が必要です。
 
・国民健康保険証の発行手続きをする
世帯分離をしたら、必要に応じて国民健康保険証の発行手続きをしてください。
例えば、親の国民健康保険に入っていた子供が世帯分離した場合、子供が世帯主となった新たな保険証が必要になります。
 
・夫婦の世帯分離は手続きが煩雑
夫婦での世帯分離も申請することはできますが、明らかに生計を別にしていることの証明やどちらかが死亡した後の書類申請などが必要なため、手続きが煩雑になります。自治体によっては夫婦の世帯分離は認められないこともあるので、慎重に検討してください。

 
・申請する前に状況確認を
冒頭でお伝えしたように、世帯分離にはメリットとデメリットがあります。保険制度の仕組みは複雑な上、定期的に変更されるので、最新情報に基づく状況確認を忘れないようにしましょう。
インターネットや役所の窓口に問い合わせてみてください。

メリットとデメリットを把握した上で検討を

介護サービスでは、世帯全体の所得により高額介護サービス費や特定入所者介護サービス費が決まるため、世帯を分けたほうが介護費用の節約につながるケースもあることをご紹介しました。特に、高額な費用がかかる施設に入所した場合は、世帯分離するかしないかで負担額に大きな差が出ます。今すぐ世帯分離をするかどうかは別にして、介護費用を節約する方法の一つとして覚えておくと良いでしょう。
ただし世帯分離にはデメリットもあります。また、介護保険制度は定期的に見直され、改訂されるので、自分の収入状況や将来設計、保険の最新情報を定期的にチェックすることも大切です。

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