ターミナルケアとは?本人が望む最期を迎えるために家族ができること

ターミナルケアとは、死を目前にした人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目指すケアのことです。

治療を目的とせず、「残された時間を充実したものにしよう」という考え方が、1960年代にイギリスのホスピス(がんなどの末期患者向けの医療施設)から欧米に広がりました。日本では1980年代以降、緩和ケアの発展を通して、少しずつターミナルケアが重要視されるようになっています。

死を前にした家族に対して一体何をしてあげられるのか。

この記事では、ターミナルケアについてご紹介します。

 

 

【目次】

  • 1. ターミナルケアとは?
  • 2. ターミナルケアの内容とポイント
  • 3. 在宅でのターミナルケア
  • 4. 介護施設でのターミナルケア
  • 5. ターミナルケアで残された時間を充実したものに

 

ターミナルケアとは?

ターミナルとは「終末期」を意味します。人生の終末期、病気の終末期が来たとき、延命するか、残された時間を充実させるか。
ターミナルケアはデリケートな決断から始まります。

 
●ターミナルケアとは
ターミナルケアは、病気で余命わずかの人をはじめ、認知症や老衰の人たちが、人生の残り時間を自分らしく過ごし、満足して最期を迎えられるようにすることが目的です。つまり治療による延命よりも、病気の症状などによる苦痛や不快感を緩和し、精神的な平穏や残された生活の充実を優先させるケアです。

 
●緩和ケアとの違い
ターミナルケアは緩和ケアの一部だと考えると良いでしょう。
緩和ケアは、がん患者らの苦痛を緩和して、QOLの改善を図るものです。
ターミナルケアが、治療よりも残された生活を心穏やかに過ごしてもらうように努める「終末期医療」「終末期看護」であるのに対し、緩和ケアはターミナルケアの要素に加えて治療も並行して進める点に違いがあります。

 
●ターミナルケアを開始する時期
通常の治療同様、ターミナルケアを行うかどうかは患者本人や家族の意思に任されています。しかし、ターミナルケアを始めるということは「延命をあきらめる」こととほぼイコールとなるため、開始の決断はとてもデリケートな問題です。
がんなどの病気の場合には、病状から予測される余命や、治療の効果が期待できるかどうかなどを考慮して、タイミングを決断することになります。認知症や老衰の場合は、寝たきりになって介助があっても食事ができなくなったときが、一般的にターミナルケアの開始時期と考えられています。
本人の意思で開始を決断できるのが理想的ですが、特に認知症の場合、意思確認が難しくなっていることもあり、その場合は家族が判断します。

 

 

ターミナルケアの内容とポイント

ターミナルケアは主に「身体的ケア」「精神的ケア」「社会的ケア」の3つに分けられます。精神的ケアと社会的ケアは、家族や友人の役割が重要です。

ケアの内容

・身体的ケア
投薬などで痛みなどの症状を緩和するケアが、身体的なターミナルケアです。
ターミナルケア開始の判断基準となる「食事ができなくなったとき」の対応も重要です。栄養補給には鼻から胃に管を通したり胃に直接管を挿入して栄養を補給したりする「経管栄養」や、点滴などの方法があります。

 
ただ、栄養補給は延命措置にもなります。そもそも栄養補給を実施するかどうか、実施するのであればどんな補給手段にするかといった選択は、本人または家族の意思を確認した上で進める必要があります。

 
また、毎日の生活においては着替え・排泄・移動といった日常行為でストレスを感じないよう環境を整えることが大切です。自宅介護なら、介護サービスを積極的に利用してプロの助けを借りましょう。

 
少しでも穏やかに過ごすためには体を清潔に保つことも大事です。しかし、入浴介助は、介助される本人にとっても体力的な消耗が大きくなります。代わりに全身の清拭(せいしき)を毎日行いましょう。髪を整えたり、女性ならメイクをしたりといった身だしなみを整えることも、残された日々を明るく過ごす助けになります。
寝たきり状態を介護する場合は、褥瘡(じょくそう=床ずれ)ができないように気をつけましょう。

 
・精神的ケア
ベッドの周囲にできるだけ普段と変わらない環境を作り、リラックスできるようにしましょう。好きな音楽をかけたり、大切にしている物、思い出の品などを身近に置いたりして、本人にとって満足感のある空間にすることがポイントです。

また、死に対する不安や心残りが大きくなりすぎないように家族や友人と過ごす時間を十分に作ってあげることも重要です。そのためには死をタブー視せず、「不安や恐怖を拭い去ることは難しい」ということを理解して寄り添う必要があります。一人で死に臨むような孤独を感じさせないことが、家族や友人の最も大切な役割といえるでしょう。

 
・社会的ケア
入院や介護による経済的な負担が、患者本人のプレッシャーになることもあります。病院のソーシャルワーカーに医療費負担を軽減できるかどうか相談してみましょう。医療費を抑えるには、入院から在宅介護に切り替えるのもひとつの方法です。

 
職場で責任ある立場だったり、家庭の大黒柱となっていた人、家事全般を担っていた人は、「職場に迷惑を掛けている」「家族に迷惑を掛けている」という思いに苦しむことがあります。心苦しいと同時に、職場・家庭での立場・役割の喪失も、不安感や孤独感となって襲いかかります。「自分なんかいてもいなくても関係ない」といったマイナス思考に陥らないよう、しっかりコミュニケーションを取りましょう。

 
・ターミナルケアのポイント
病気により死を宣告された人の心理状態は、「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」という5段階のプロセスをたどります。「否認」から「抑うつ」までの間には、「なぜ自分が」という怒りや、避けられない死への抵抗、恐怖や不安などが言動となって表れてきます。家族など周囲の人間にとっても苦しい時期ですが、こうしたプロセスがあることをあらかじめ理解した上で、本人の心の整理を手助けし支えてあげてください。

もちろん「受容」の段階でも心が揺らぐことがあります。可能な限り肉体的苦痛を緩和し、コミュニケーションを取りながら不安を取り除くことで、本人の臨む最期を迎えられるようにしましょう。

 

 
 

在宅でのターミナルケア

患者の精神面にはメリットが大きい半面、家族の負担が大きくなる在宅ケア。どうしても在宅でという場合は、あらかじめメリットとデメリットを把握しておきましょう。

 
●在宅ケアのメリット
残された時間を家族と一緒に過ごせることが最大のメリットです。
自宅でリラックスできるので、本人の精神的・肉体的負担も少なくなります。病院に比べると費用が掛からず、経済的な心配も軽減できます。
家族にとっても、病院で一人にさせて寂しくないか、苦しんでいないかといった点を心配せずに済みます。

 
●在宅ケアのデメリット
褥瘡ケアや食事、トイレなど、いつも家にいて面倒を見る人が必要です。場合によっては仕事を辞めたり引っ越したり、介護者のその後の人生を大きく変える決断を余儀なくされることもあります。
介護をしながらの生活は体力的に厳しく、患者が快適に過ごせる環境づくりへの気遣いなどは精神的に負担が掛かります。介護者が負担を抱え込むと、患者と家族の関係に悪影響が出る可能性もあります。
容体に急変があった場合の対応も、入院時のようにすぐに医師に診てもらうわけにはいきません。

 
●在宅ケアのポイント
在宅でのターミナルケアは、本人と家族にとって安らぎになると同時に、負担も確実に発生します。
介護による負担を軽減して本人と向き合うことに集中できるよう、ソーシャルワーカーや介護サービスなどを利用して、介護生活をサポートしてもらうと良いでしょう。
また、寝たきりの状態を介護する場合には、褥瘡ケアが欠かせません。床ずれができると患者が大きな苦痛を感じるようになりますので、ベッドの上で体の向きをマメに変えてあげて、床ずれができないようにします。数時間同じ姿勢でいるだけでもできてしまうことがありますので、注意しましょう。

 

 
 

介護施設でのターミナルケア

家族が精神面でのケアに集中できるのが、介護施設のメリットです。医療と介護の両面からターミナルケアに理想的な施設を探しましょう。

 
●ターミナルケアを受けられる施設
有料老人ホーム・介護老人保健施設・特別養護老人ホームといった高齢者の入居施設では、「看取り介護=ターミナルケア」を前提として入居を受け入れています。
平成18年の介護報酬改定でこうした高齢者向けの福祉施設に「看取り介護加算」が創設されました。平成27年4月にもあらためて看取り介護加算の要件が見直されていて、厚生労働省の定める医療体制・介護体制を満たす施設で介護報酬の加算がされるようになっています。
看取り介護加算の対象とならない施設でも、事実上の「看取り介護」が行われていますが、しっかりした医療体制・介護体制を考慮したい場合、看取り介護加算の有無をひとつの基準として施設を選ぶこともできます。

 
●施設でのケアのメリット
介護のプロが面倒を見てくれるので、褥瘡ケアや日常生活のサポートも安心感があります。着替え・排泄・廊下や階段の移動など、在宅ケアで苦労しそうなことも、被介護者はあまりストレスを感じることなく過ごすことができるでしょう
家族は介護のために体力的、精神的に追い詰められることなく、患者と向き合うことに集中できます。
介護士や他の利用者ともコミュニケーションを取る機会が多く、孤独感や社会との関係の喪失感も覚えにくい環境です。

 
●施設でのケアのデメリット
面会時間が限られている点、生活する部屋やベッドの周囲などを自宅ほどリラックスできる環境にするのが難しい点など、在宅ケアに比べると自由度が低くなります。
また、食事ができなくなったあと、あるいは寝たきりになったあと、どれくらいの期間ターミナルケアが続くのかは誰にもわからないため、経済的な負担の心配があります。

 
 

病院でのターミナルケア

病院でのターミナルケアはホスピス(緩和ケア病棟)での緩和ケアとセットになります。対象となるのはがん患者とエイズ患者。急変時の対応は一番安心ですが、問題点もあります。

 
●対象となる患者
厚生労働省がホスピスの診療対象として認めているのは、がん患者とエイズ(後天性免疫不全症候群)患者のみです。他の病気や老衰のように、診療行為(緩和ケアを含む)を行わず、看取りのみを前提とした入院は基本的にできないことになっています。

 
●病院でのケアのメリット
医師や看護師が常に容体を把握してそばについているため、急変があっても速やかに適切な対応をしてもらえます。
施設と同じようにプロに介護を任せられるため、家族が介護で消耗することもありません。医療ソーシャルワーカーのいる病院なら、経済的なことや入院に伴う家族の生活のことなど、困ったときに相談もしやすいでしょう。

 
●病院でのケアのデメリット
入院費と治療費がかかるため、経済的な負担が大きくなります。
面会時間が限られているため、家族と離れている間に患者の孤独感や不安感が膨らんでしまう心配もあります。生活環境も完全にリラックスできるよう整えるのは難しく、やはり在宅ケアに比べてどうしても自由度が低くなってしまいます。

 
 

ターミナルケアで残された時間を充実したものに

「最期は自宅で家族に見守られながら迎えたい」と考える人は多いでしょう。しかし、在宅でターミナルケアを行うには、人手の確保や急変時の対応、介護者の体力と精神面のバックアップなど、クリアしなければならないことがいくつもあります。
「残された時間を充実したものにする」というのがターミナルケアの目的です。その目的が達成できるよう、しっかりシミュレーションして無理のない決断をしてください。施設や病院のメリットとデメリットも考慮して、最期を迎える場所を決めましょう。
自宅や施設で容体が急変した場合、病院へ運ぶのかそのまま看取るのかも考えておく必要があります。
本人の意思を最大限尊重できるよう、意思疎通ができなくなる前に話し合っておくことが大切です。
 

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理由① 自社開発費用を少なくすることで、お客様への初期費用のご負担を少なく

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理由② 高い入居率をキープすることで、安定した運営を実現

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