足浴の目的・効果・手順|高齢者の介護に取り入れる理由とは?


 
「足浴」とは、名前の通り足だけを洗う入浴方法で、介護や看護の現場ではその有効性が評価されています。足を清潔にするだけでなく、足の疲れを和らげたり、足先の血流を改善して全身の血行を良くしたり、リラックス効果や安眠快眠効果なども得られるといわれています。また、全身浴に比べると心臓への負担が軽減され、体力の消耗も少ないので、高血圧の方や高齢者の方、体力の少ない方などにも適した入浴方法といえます。
今回は、現在介護を行っている人のために、衣類を着たまま手軽にできる足浴の効果や注意点、正しい方法についてご紹介します。
 

【目次】
1.足浴とは?
2.足浴の目的と効果
3.足浴するときの注意点
4.効果的な足浴の方法
5.被介護者に寄り添った足浴を
 
 

足浴とは?

 
足浴を効果的に行うために、まずは足浴の基礎知識についてお伝えします。
 
●足浴とは
足浴は、病気などによる身体的な理由で全身浴が難しい人に施す「部分浴」の一種です。
部分浴とは体の一部のみをお湯に浸ける入浴方法で、足浴のほかにも「手浴」「座浴」(お尻だけの入浴)などが例として挙げられます。足浴は、病気や疾患の種類によっては、ケアプランに組み込むことが義務付けられているほど、体に有効な入浴方法として知られています。
 
●足浴を取り入れる疾患・病気・理由
足浴を取り入れる理由は、「全身浴を拒否する」「寝たきりや骨折など、体の状態により全身浴が難しい」「褥瘡(じょくそう)などの創傷がある」など、さまざまです。糖尿病を患っている人が、高血糖により滞りがちな血流を良くするために足浴を行うこともあります。
また、神経痛や狭窄(きょうさく)症による足のしびれがある人が、症状を和らげるために取り入れたり、安眠効果があるため、睡眠障害の人に施されたりする場合もあります。
 
 

足浴の目的と効果

 

 
足浴には、具体的にどんな効果が期待できるのでしょうか?
 
●下肢の皮膚を清潔に保ち、感染症を防ぐ
全身浴と同様に下肢を洗浄して爽快感が得られるだけでなく、皮膚を清潔に保ち、感染症などを予防することを目的としています。足の皮膚も汚れたままにしておけば不衛生ですし、細菌なども発生しやすくなります。足浴にはそのような事態を未然に防ぐとともに、皮膚を清潔にすることで創傷の治癒を早められるという効果があります。
 
●血行を良くし、血流障害を予防する
足は体の末端にある部位なので、血流が滞りやすいという特徴があります。足浴で足を温めることで全身の血行を良くし、循環機能を高めます。血の巡りが良くなると、老廃物の排泄がスムーズになり、むくみの改善にも役立ちます。
 
●リラックス効果や睡眠促進効果がある
足を温めることにより、筋肉の疲れの軽減や、疼痛(とうつう=ずきずき痛むこと)の緩和という効果が期待できます。
また、全身の血流が良くなることで、気分を落ち着かせる働きのある「副交感神経」が優位になり、リラックス効果や睡眠促進効果を得られます。足浴と同時にマッサージを施せば、さらにそれらの効果を高められるでしょう。
 
●足の状態を観察し、健康状態を把握する
上記3つの効果は全身浴にも見られるものですが、足浴特有のメリットとして、足の状態から健康状態を把握できるという点が挙げられます。「足は第二の心臓」といわれます。体の末端ということもあり、なかなかじっくりと見る機会が少ない部位ですが、足浴の際は被介護者の足をじっくり観察できるチャンスです。そこから思わぬ病気が見つかる可能性もあります。
 
 

足浴するときの注意点

 
足浴には体に良い効果がたくさん期待できる一方で、注意しなければならない点もあります。
 
●被介護者の体をなるべく冷やさない
足浴は、15分程度を目安に手早く行い、被介護者の体を冷やしたり、余分な体力を消耗させたりするのを避けましょう。体が温まりすぎて汗をかくと、体温を奪われてしまうので、汗をかかない程度の時間に収めることが重要です。
また、露出部分を極力少なくして、ひざ掛けやバスタオルなどで保温しながら行いましょう。足浴が終わった後はしっかりと水気を拭き取ってください。
 
●お湯の温度や力加減に注意する
足を浸けるお湯の適温は39度~42度とされていますが、介護者の手と被介護者の足は、感じる温度が異なります。足をお湯に触れさせたら、必ず「熱くないですか?」と確認するようにしましょう。
また、足を洗うときの力加減にも注意が必要です。「痛くないですか?」と小まめに声をかけ、被介護者にとってちょうどいい力で洗うように心掛けてください。
 
●時間帯に配慮する
足浴の効果を高めるには、行う時間帯に配慮することも大切です。昼間の気温の高い時間帯やお昼寝前などに行うと、被介護者の体にかかる負担を小さくすることができます。全身浴と同様、食後の足浴は血液を皮膚の表面に集めるため、胃の働きが低下し消化不良を引き起こす可能性があります。食後すぐの足浴は避けたほうが良いでしょう。
 
●足の状態をよく観察する
観察するポイントには、「皮膚が乾燥していないか」「皮膚が変色していないか」「掻痒感(そうようかん)はないか」「臭気はないか」「爪の状態は正常か」などが挙げられます。介護者は、足浴を行いながら被介護者の足先に何か不調の兆候が出ていないかをよく確認しましょう。特に、水虫や爪白癬(爪の水虫)などのトラブルについては注意深く観察してください。症状の度合いによっては、専門医の診察が必要です。
 
 

効果的な足浴の方法

 
 
足浴を行うときは、被介護者の体にかかる負担をできるだけ軽減することが大切です。効果的な足浴の方法をお伝えします。
 
●準備するもの
・お湯の入ったバケツまたは洗面器
・汚水用バケツ
・タオル2枚
・石鹸
・ガーゼ
・防水シート
・新聞紙
・かけ湯用のペットボトル
・差し湯用のペットボトル
・クッション
・バスタオルまたはひざ掛け
 
必要に応じて保湿クリームや爪切りなども用意しておくと良いでしょう。
 
●足浴の方法
1. 被介護者に足浴する旨を伝え、同意を得てから始めます。足浴を施す一定の時間は自由に動けないため、尿意や便意がないかどうかを、被介護者にあらかじめ確認してください。
できれば、事前に医師や看護師に注意点を確認しておくと良いでしょう。
 
2. 被介護者からの同意を得られたら、周囲の環境を整えます。寒くないように室温は22度~24度に設定し、必要に応じて窓やカーテンを閉めます。濡れては困るものがあれば、あらかじめ移動させておきましょう。床に新聞紙を敷き、その上に汚水用のバケツを置きます。
 
3. 被介護者の体位を整えます。上半身を起こせるようであれば、ベッドに腰掛け、足底部が床につくようにベッドの高さを合わせます。上半身を起こすことができない場合は、ベッドに横になったまま膝を曲げ、膝の下に枕やクッションをいれて体の安定を確保します。ひざ掛けやバスタオルで保温しながら、衣類が濡れないようにめくります。足元に防水シートを敷き、お湯の入ったバケツまたは洗面器を乗せます。
 
4. いよいよ足浴を開始します。足にお湯をかけてなじませてから片足ずつゆっくりと浸水します。石鹸をガーゼで泡立てて片足ずつ洗います。特に指の間や付け根は、洗い残しがないように丁寧に洗いましょう。
 
5. 両足を洗い終えたら、お湯を汚水用のバケツに捨て、ペットボトルに入ったかけ湯用のお湯をかけて石鹸を流します。片足ずつバケツから出してタオルで水分をよく拭き取ります。
必要であれば、ここで保湿クリームを塗ったり、爪を切ったりしてください。
 
6. 最後に後片付けをします。床が濡れていないかどうかの確認が大切です。床や足に水分の拭き残しがあると雑菌の繁殖につながり、感染症などの発生を引き起こしやすくなるからです。水が飛び散っている場合は、しっかり拭き取りましょう。
 
 

被介護者に寄り添った足浴を

 
被介護者にとっても、介護者にとっても、足浴には多くのメリットがあります。マッサージや会話などのコミュニケーションをとりながら足浴を行えば、介護者と被介護者の信頼関係をより深めることにもつながります。被介護者の介護度や体調は日々変化するため、ただ足を洗うだけでなく、被介護者の気持ちに寄り添い、不調にいち早く気が付けるような足浴を心掛けましょう。
 

(注)本記事の内容は、公的機関の掲出物ではありません。記事掲載日時点の情報に基づき作成しておりますが、最新の情報を保証するものではございません。

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