介護保険制度とは?保険料、サービス内容など制度の基本が丸わかり!

「介護保険制度」という仕組みがあるのをご存知でしょうか。介護保険は、自分の老後や家族を介護することになったときにサポートしてくれる心強い存在です。
高齢化が進む中、「私にはまだ関係ない」「両親や配偶者はまだ元気そうだから大丈夫」と思っていても、いつ、どのタイミングで身近な人に介護が必要になるかわかりません。
そこで今回は、これから介護に関わる可能性のあるすべての人に向けて、介護保険制度の仕組みや介護保険で受けられるサービスの内容、利用するために必要な「要介護認定」について、わかりやすく解説します。

【目次】
1.介護保険制度とは
2.介護保険制度の仕組み
3.介護保険で受けられる介護サービス
4.要介護認定とは
5.知れば納得、頼って安心!の介護保険制度
 


 

介護保険制度とは

介護保険を理解するために、まずは介護保険制度の意義や成り立ちについて知っておきましょう。
 
●介護保険制度の基本理念
介護を必要とする人が適切なサービスを受けられるように、社会全体で支え合うことを目的とした制度です。少子高齢化や核家族化に伴い、被介護者を家族だけで支えるのは難しくなっています。そこで、被介護者の自立を支援したり、介護する側の家族の負担を軽減できるようサポートしたりと、介護者・被介護者の双方が安心して生活できる社会を目指し、1997(平成9)年12月に「介護保険法」が制定され、2000(平成12)年4月から施行されています。
 
介護保険は、単に身の回りの世話をするだけでなく、被介護者の自立をサポートする「自立支援」、被介護者本人が自由に選択することで、介護サービスを総合的に受けられる「利用者本位」、納めた保険料に応じてサービスや給付金を受ける「社会保険方式」の3つの柱を基本に成り立っています。
すべての高齢者が人間としての尊厳を保ち、自立した生活を送れるよう、地域社会で支え合いながら介護サービスの充実を目指すのが、介護保険制度の基本理念なのです。
 
●介護保険制度の対象者
介護保険は、40歳になった月から全ての人が加入することになり、支払い義務が生じます。年齢によって区分が分かれていて、65歳以上は「第1号被保険者」、40歳~64歳までは「第2号被保険者」に当たります。たとえ要介護状態になったとしても、39歳以下の人は介護保険を利用できません。
 
第1号被保険者は、介護が必要であると認定を受けると、その程度によって、日常生活の支援や介護のサポートを受ける際に介護給付を受けることができます。
第2号被保険者の場合、末期がんや関節リウマチ、脳血管疾患などを含む全部で16種類の特定疾病のいずれかに該当し、要介護認定を受けた人のみ、介護給付を受けることができます。
 

 

介護保険制度の仕組み

次に、介護保険制度の仕組みや、第1号被保険者・第2号被保険者それぞれの場合の保険料の支払い方法についてご紹介します。
 
●介護保険制度の仕組み
介護保険制度は、40歳以上の国民全員が納めた保険料と、国や市区町村の公費(=税金)を1:1の比率で合わせ、介護の費用に充てるという仕組みになっています。それにより、利用者が実際に支払う介護サービスの負担額を全体の1割程度に抑え、介護が必要な段階に応じてさまざまなサービスが受けられるようになっています。
国民は40歳になった月から支払い義務が生じ、その後は一生涯払い続けることになりますが、第1号被保険者か第2号被保険者かによって、保険料の支払い方法も異なります。
 
●保険料と支払い方法
・第1号被保険者
市区町村から納付通知書が届き保険料を納めるか、年金から天引きされる形で保険料を支払います。保険料は、住んでいる市区町村により基準額が異なり、所得によっても変わります。具体的な金額について知りたい人は、各市区町村の公式サイトを確認しましょう。
 
・第2号被保険者
厚生労働省が1人当たりの介護保険料の負担率を設定し、それに基づいて計算した保険料額を、健康保険組合や共済組合などの医療保険者に知らせます。通知を受けた医療保険者が、第2号被保険者から医療保険料と一緒に介護保険料を徴収するという仕組みです。
 
健康保険に加入している人の介護保険料額は、被保険者の給与の月額を全50等級に区分した「標準報酬月額」によって算定され、健康保険料と同じように給料から天引きされますが、被保険者と折半する形で、事業主も介護保険料を負担します。
国民健康保険に加入している人は、医療保険料に上乗せする形で請求されます。
それぞれの市区町村ごとに計算方式は異なり、所得や固定資産額を考慮する場合や、それらにかかわらず、加入者1人ひとりに均等に保険料を賦課される場合があります。
 

 

介護保険で受けられる介護サービス

介護保険で受けられるサービスには、大きく分けて「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3種類があります。
 
●居宅サービス
居宅サービスとは、介護福祉士や訪問看護員が利用者の自宅を訪問し、日常生活の介助を行う「訪問介護」、利用者がデイサービスセンターなどを訪れて介護サービスを受ける「通所介護」など、自宅に居ながら受けられるサービスのことを指します。入浴・排泄・食事など被介護者の体に直接触れる介護の他、看護師や保健師などが医療行為を行う「訪問看護」、短期間施設に入居して介護を受ける「ショートステイ」、特定施設(ケアハウスなどの有料老人ホーム)への入居、福祉用具のレンタルサービスなども居宅サービスに含まれます。
 
注意したいのは、特定施設に入居してサービスを受けている場合でも、分類上は、施設サービスではなく居宅サービスとして位置づけられるという点です。老人ホームは、入居者が自分の家として生活するための施設だからです。
 
●施設サービス
介護保険法によって施設サービスと認められているのは、「介護老人保健施設」「特別養護老人ホーム」「介護療養型医療施設」の3つです。
 
・介護老人保健施設
病状が安定していて入院治療の必要がない利用者が、医師や理学療法士のもとで医療ケアやリハビリを受けながら、在宅での介護を目指すための施設です。在宅復帰を前提としているため長期の利用は受け付けていません。
 
・特別養護老人ホーム
身体上または精神上の障害により常時介護が必要な状態の人を対象とした施設です。入居希望者が非常に多いため、順番待ちでなかなか入れないという問題も起きています。
 
・介護療養型医療施設
介護保険制度がスタートしたときに、介護の療養病床として許可された医療機関のことを指します。ただし、この施設は、もう医療行為が必要ないにもかかわらず、退院してもケアしてくれる人がいないという理由から、やむを得ず入院しているという「社会的入院」の温床になっているとの批判があり、国の方針で今後は新規の認定が行われず、病床数は減少していくことが予想されています。
2017年度末には、介護老人保健施設への転換に伴い廃止される予定です。
 
●地域密着型サービス
市区町村によって指定された事業者が、その市区町村に住む利用者を対象として行うサービスです。要介護状態になった高齢者が、今まで通りの住み慣れた環境で、地域住民と交流を持ちながら介護サービスを受けられるようにすることを目的に、2006(平成18)年から新たにスタートしました。
小規模で運営される地域密着型のグループホームなどに入居できる他、24時間対応が可能な介護職員による定期巡回サービスや、認知症の高齢者だけに特化したケアなど、柔軟なサービスを受けられる点も特徴です。
 

 

要介護認定とは

要介護認定とは、介護サービスを受ける際に、利用者がどの程度の介護を必要としているかを判断する基準になるもので、要支援1~2・要介護1~5の7段階に分類されています。
 
●要介護認定の目的
介護保険による給付を受ける際、それぞれの利用者が介護を必要とする度合いに応じて適切なサービスを受けられるよう、保険者となる各市区町村が判定を行います。
第1号被保険者と、第2号被保険者の中で特定疾病に該当する人は、要介護認定を受けることができます。
 
●判定の流れ
申請申し込みをすると、全国共通の認定調査書を使った訪問調査が行われ、コンピューターによる一次判定が行われます。その後、一次判定の結果をもとに、保険・医療・福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」が二次審査を行い、判定結果を市区町村に通知します。
 
認定を受けると、各市区町村の指定を受けた事業者の介護支援専門家(ケアマネジャー)に介護サービス計画書(ケアプラン)を作成してもらい、ケアプランに沿って最適なサービスを受けることになります。
 
●要介護認定の区分
介護認定は、大きく分けて、介助なしで日常生活を送ることが可能な「自立」と、 要介護への進行を予防するための支援が必要で、介護サービスの利用によって改善が見込まれる「要支援」、自立した日常生活を送ることが困難で、何らかの介護を必要とする状態である「要介護」の3つに分かれています。
 
自立と認定された場合は、介護保険の給付金を受け取ることはできません。
要支援・要介護のいずれかに認定されると、介護保険適用のサービスを利用できるようになります。
 
・要支援1
食事、排泄、移動、入浴といった日常生活を送るにあたっての基本的な行動(日常生活動作)であれば、ほぼ自力で行うことができますが、症状の進行を防ぐために、買い物や家事全般、服薬や金銭の管理など(手段的日常生活動作)において一部支援が必要とされる状態です。
介護保険制度の支給限度額は月額5万30円で、一例として、週1回の介護予防訪問、月2回のショートステイなどの介護サービスを受けることができます。
 
・要支援2
要支援1と比べて手段的日常生活動作を行う能力に低下が見られ、身の回りの世話などに何らかの介助を必要とし、立ち上がりや歩行などの動作に支えを必要とすることがある状態です。
介護保険制度の支給限度額は月額10万4,730円。一例として、週2回の介護予防訪問、月2回のショートステイに加え、歩行補助用の杖をはじめ、福祉用具の貸与といった介護サービスを受けることができます。
 
・要介護1
要支援状態からさらに手段的日常生活動作を行う能力が低下し、部分的な介護が必要で、立ち上がりや歩行の際にも不安定さが見られる状態です。
介護保険制度の支給限度額は月額16万6,920円。一例として、週3回の訪問介護、週1回の訪問看護、週2回のデイサービス利用、3カ月の間に1週間程度のショートステイ、歩行補助の杖など一部の福祉用具貸与といったサービスを受けることができます。
 
・要介護2
要介護1の状態に加え、日常生活動作においても部分的な介護が必要になり、物忘れや理解力の低下が見られる状態です。
介護保険制度の支給限度額は月額19万6,160円。一例として、週3回の訪問介護、週1回の訪問看護、週3回のデイサービス利用、3カ月の間に1週間程度のショートステイ、認知症老人徘徊感知機器など一部の福祉用具貸与といったサービスを受けることができます。
 
・要介護3
日常生活動作、手段的日常生活動作の両方の能力が低下し、食事や入浴は自力で行えないなど、日常生活動作に全面的な介護が必要な状態です。
介護保険制度の支給限度額は月額26万9,310円。一例として、週2回の訪問介護、週1回の訪問看護、週3回のデイサービス利用、毎日1回の夜間の巡回型訪問介護、2カ月の間に1週間程度のショートステイ、車椅子や特殊寝台などの福祉用具貸与といったサービスを受けることができます。
 
・要介護4
要介護3と比べてさらに動作能力に低下が見られ、排泄を1人で行うことができないなど、介護なしに日常生活を送ることが困難な状態です。
介護保険制度の支給限度額は月額30万8,060円。一例として、週6回の訪問介護、週2回の訪問看護、週1回のデイサービス利用、毎日1回の夜間対応型訪問介護、2カ月の間に1週間程度のショートステイ、車椅子や特殊寝台などの福祉用具貸与といったサービスを受けることができます。
 
・要介護5
日常生活動作、手段的日常生活動作の両方の能力が著しく低下し、「意思の伝達が困難」「寝たきり」など、生活全般にわたって全面的な介助を必要とする状態をいいます。
介護保険制度の支給限度額は月額36万650円。一例として、週5回の訪問介護、週2回の訪問看護、週1回のデイサービス利用、毎日2回の夜間対応型訪問介護、1カ月の間に1週間ほどのショートステイ、特殊寝台やエアーマットなどの福祉用具貸与といったサービスを受けることができます。
 
ご紹介したものは、あくまでも標準的な地域での目安で、1単位=10円と計算した場合です。具体的なサービス内容・ケアプランについては、利用者の状態やお住まいの市区町村によって異なるので、詳細は各自治体の窓口などに確認してください。

 

知れば納得、頼って安心!の介護保険制度

介護保険制度は、介護施設への通所や入所以外にも、予防給付として受けられるサービスや、介護の環境を整えるための福祉用具の貸与など、幅広いサービスを利用できる便利な制度です。各サービスや要介護認定についての予備知識があれば、いざ身内に介護が必要となったときでも、手続きなどをスムーズに行うことができます。
介護保険制度は約3年ごとに見直され、その都度内容が変更されるので、住んでいる地域のサービス内容については、常に最新の情報をチェックしておくようにしましょう。
介護保険制度は、今後始まるかもしれない介護生活に不安を感じている人にとって心強い味方となってくれるはずです。

(注)本記事の内容は、公的機関の掲出物ではありません。記事掲載日時点の情報に基づき作成しておりますが、最新の情報を保証するものではございません。

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